ESSAY

【読むコスメ#01】どこでも買えるものばかりじゃ、どこにでもいる女子にしかなれない

口紅

「いつでもどこでも買えるもの」から卒業しよう。

なんとなく、身に覚えはないだろうか。

ストレスが溜まったとき、何か買い物したい欲があるとき、
何か新しいことで気分を変えたいとき。
現代では、すぐに「買い物」という手段で解消することができる。

なんとなく目新しさのあるドラッグストアのコスメも、
すぐ手に入るプチプラなお洋服も、
頼んだらすぐ届くネット通販でのお買い物も、
今は無数にある時代だと思うのだ。

「欲しい!」と思ったらすぐ手に入る、
通販なら「ポチる」。
そんな気持ちやお金などあらゆるエネルギー、
そんな自分の労力を必要としない、
ちょっとしたアクションで手に入ってしまうもの。

断言したい。
簡単に手に入るもので身の回りを固めては、
簡単に手に入る人にしかなれないのだと思う。

何も、高価なものばかりを買う必要があるというわけではない。
たくさん考えた末に買った大切なものとか、
買うのにエネルギーが必要なものといったものなど、
その定義は人それぞれ違う。

けれども、自分にとって
本当に必要なものを見極めるのは意外に大変だ。

自分は本当はどうなりたいのか?
どんなライフスタイルを送りたいと思っているのか?
そしてそんな自分の過ごす日常には、
どんな「もの」で囲まれているのか。
そこから逆算して考えたら、
きっと誰も適当でチープなコスメや、
量販店で売っているもので済ませよう、
なんて考えないんだと思う。

今や、ちょっとお金を払えば、
ほどほどにおしゃれなお洋服が手に入り、
安くて品質もよいコスメでトレンドメイクが簡単にできて、
ハイブランドの模倣デザインのアイテムだって
たくさん世の中に溢れてる。

雑誌で見たヘアスタイルを真似して、
去年のものは「飽きたな」と思いながら着ずに、
周りに褒められるように、周囲から置いていかれないように
いろんなものをコンスタントに、ほどほどに買っている日常。

どこでも手に入るものは、
誰でも手に入れられる、ほぼ同義。
誰でも手に入るものには、
人を惹きつけるような強烈な魅力は宿らない。

求めるべきは、
すぐに手に入れられないもの。
手に入れにくい、と思っているもの。
ものかもしれないし、
ものを通じた自分かもしれない。
手に入れない末に見つけた、
自分らしい「個性」かもしれない。

「どこでも買えるもの」から、自分を解放しよう。
そうして手放したおかげで生まれた、
自分のエネルギーとお金を、
新しい自分らしさに投資しよう。

毎日続けるトレーニングで手に入れた体。
ずっと憧れて買いたかったハイブランドのアクセサリー。
敷居が高いと思っていたお店の服。
毎日ケアをしつつ大切に伸ばした長い髪。
すぐ手に入らなかったものには、
長く積み重ねた価値が宿ってる。

ちょっとずつ、
手に入れやすいものから離れ、
手に入れにくいと思うものを求める。
すぐ手に入れず、
どうやって手に入れようかと頭を使う。
そう続けているうちに、
きっと一番の「自分らしさ」が手に入る。

そんな瞬間を増やしてみよう。

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ESSAY #読むコスメ
読んだらきっと、パワーが湧き出す。
一歩、踏み出してみたくなる。
ちょっと、新しい自分になりたくなる。
まるで大好きな赤のリップを塗った時のように。
新しいコスメとも美容液のような
あなたの心に効くコスメを目指します。